小生は愛媛県の八幡浜 (やわたはま) 市というところで、週の半分くらいは生活しています。。
南海地震やら津波やら伊方原子力発電所やら中央構造線の位置やらの問題も気になりますが、今ではみかんと魚と水産練り製品(じゃこてん、蒲鉾、削りかまぼこなど)でなんとか持ちこたえているような高齢者ばかりの典型的な過疎地です。
紡績業などで栄えて “四国のマンチェスター” と呼ばれたこともあったらしいです。たぶん、現在の八幡浜市のことを知ってる方にとっては、 “四国のマンチェスター” とよばれていた時代があったことを信じることが出来ないと思います。
では、八幡浜市についてもう少し、、
愛媛県八幡浜市 Yawatahama
八幡浜市とは、愛媛県の主要都市の一つであり四国一の規模を誇る魚市場を持つ。
佐田岬半島の付け根に位置し、天然の良港として古くから栄えてきた。平地が極めて乏しく、傾斜地は柑橘類の園地として利用されている。東隣の大洲市とは国道197号の夜昼トンネルで結ばれている。
明治時代には、四国のマンチェスターと称されたほど産業が興り、四国で一番早く電燈がともったのも、愛媛県下で最初の銀行が開業したのもこの地であった。当時は、銅山もあった。
自称「日本一のみかん産地」として、ウンシュウミカンを中心とした生産であり、山頂近くまでみかん園が広がっている。「三つの太陽」に育てられるといわれるように、太陽、海面の照り返し、石垣(白い石垣)の照り返しによりたっぷりと日の光を浴びて育つ。ここ数年は、さらにマルチ栽培も普及しており、これを加えて「四つの太陽」と呼ぶことも多い。 ( 八幡浜市 – Wikipedia )
三菱商事(株)の関西支社の四国支店の八幡浜事務所てのがあったりします。マンチェスターのなごり? 三菱商事は横浜には支店や事務所を置いてないようですが、この過疎地でどんな仕事をしてるのか気になるところです。。。
Chakuwiki (「バカが、バカなテーマで、バカな情報を集める場です。」とあります。)では、
・ 2チャンネルで大衆に向かっての叫びであるところの「おまいら」の呼びかけは当地が発祥である。「お前様達⇒お前さん達⇒お前等⇒おまえら」の「八幡浜四段活用」が全国展開したもの。
・モトクロス・バイク=MTBの聖地として有名らしい。
・四国中央新幹線(名古屋⇔和歌山⇔徳島⇔八幡浜⇔大分⇔熊本)の主要幹線駅になる予定。
・石原都知事の田舎だったりする。(都知事の父親の出身地)
とも記載されています。。
このあたりもご参考に。。
・愛媛県八幡浜市歴史探訪
http://www.yawatahama-town.com/history/
・八幡浜地方における綿織物業の勃興と発展①
http://ilove.manabi-ehime.jp/system/regional/index.asp
日経ビジネス 2030年全国衰退都市ランキング (2002/4/15号)
過疎地を憂うときによく引用されてきた記事です。2002年の記事ですが、それから前向きには進んでないように感じます。多くを語らなくとも、この順位だけからも事態の深刻さが伝わります。
■衰退都市ランキングから1~10位を抜粋
1 牛深 (熊本) 2 松浦 (長崎) 3 鳥羽 (三重) 4 八幡浜市 (愛媛) 5 室戸 (高知)
6 山田 (福岡) 7 栃尾 (新潟) 8 大月 (山梨) 9 輪島 (石川) 10 宮津 (京都)
http://bizboard.nikkeibp.co.jp/kijiken/summary/20020422/NB1137H_20020415l.html
(onlineで有料で記事を手に入れることができます。。。でも、古い雑誌だからか1冊丸ごとは買えず、小分けの記事でしか買えないので全部読むと900円くらいになっちゃう。。。)
マンチェスター Manchester
イングランドの北西部、グレーター・マンチェスターに位置する都市。北部イングランドを代表する都市であり、ロンドンに次ぐイギリス第2の世界都市である。1853年に都市へ昇格されており、2007年の時点で、マンチェスター(都市と都市バラ)の人口は458,100人である。2010年の近郊を含む都市的地域の人口は224万人であり、同国第3位である。
古くから商業都市として栄えており、17世紀にはいると綿織物工業がおこり、1785年に紡績機に蒸気機関が導入されることによって、産業革命において中心的役割を果たしたことで知られている。第二次世界大戦の際には、各地の工場が軍用製品の生産に切り替えられ、大きな被害を受けた。
20世紀になって綿工業などが衰退し、19世紀にイギリス経済や世界経済で占めていたほどの地位からは外れているが、代わってメディアや研究施設、金融機関などが集中し町は徐々に勢いを取り戻しつつある。 ( マンチェスター – Wikipedia )
まあ、有名なフットボールチームがあるだけでも経済が盛り上がりそうな気もしますが。。
小京都と “○○のマンチェスター”
都市イメージと都市活性化 「小京都」から「ゆるキャラ」まで
http://www.cave-ens.com/pdf/CENS1_019a.pdf
戦前における「北陸の大阪」や「四国の大阪」そして今日の「小京都」や「小江戸」を名乗る都市が多く存在し、これもまた個性的な大都市を発展モデルとして活性化を図ってきた一例といえよう。このことは、都市を発展させる政策の推進役としての都市イメージやシンボルは重要な意味をもつことを示す。
大阪はかつて「東洋のマンチェスター」とよばれているようで、そういや小京都って呼ばれるところは各地にあります。 “○○のマンチェスター” ってのも、そんな感じで実は各地にあるのかなと思いググッてみました。
googleで “○○のマンチェスター” を検索してみました
[方法] googleで “○○のマンチェスター” を検索して出てくるページ(最低100件)を眺めてみる。
[結果]
■東洋のマンチェスター
・大阪
東洋のマンチェスター…近代の大阪は、紡績・化学工業の拠点として長らくアジア最大の工業都市であった。この地位は高度経済成長期に京浜・中京工業地帯にとって代わられるまで続くことになる。 (Shinya& Takumaのブログ ~天野慎也の大阪学~)
奈良県は、発足まもない明治9年に奈良県は廃止されて堺県に統合され、さらに明治14年に堺県ともども大阪府に統合されました。なぜ奈良県が大阪に統合されていったかというと、奈良の財力を大阪に投入するためでした。 奈良は、木材産業と綿織物産業とで日本有数の富裕県でした。ここに目をつけた明治政府は、大阪を東洋のマンチェスター並みの工業都市に開発をするとの理由で財源を奈良の財力に求めたのです。 (衆議院議 滝まことオフィシャルサイト VOL.63 関西広域連合 (H22/11/20))
これ以外にもたくさんのページがあります。
・大阪府泉佐野市
繊維産業(水分吸収性の高い「後晒し(あとざらし)タオル」の主な生産地、「東洋のマンチェスター」と呼称される) (ウィキペディア 泉佐野市)
・大阪府泉州地区
大阪府の泉州地区で生産される「泉州タオル」は、日本のタオル産業の発祥の地として有名で「東洋のマンチェスター」と称される。 (e-towel 泉州タオル)
・神奈川県川崎市
なお「静岡民友」紙のS5/7/13日に掲載された「川崎小唄」の歌詞を見ると
♪「機上で見ましょうよ河港と海港 川崎ぁ東洋のマンチェスター・・・・」
と、京浜工業地帯の真ん中に位置する「川崎市」を、イングランド最大の工業都市マンチェスターになぞらえて、大きく持ち上げいてた (昭和初期の映画主題歌あれこれ)
・愛知県一宮市
織物王国一宮市は”東洋のマンチェスター”と呼ばれた。 (世界と西尾張)
■日本のマンチェスター
・東雲キャナルコート (東京都江東区東雲一丁目にある三菱製鋼株式会社の工場跡地の再開発エリア)
菱川さん曰く、東雲は「日本のマンチェスター」だという。
「マンチェスター」…ってどこだっけ?じゃなく、何の街だ? そうだ綿織物とストーンローゼスとオアシスだ! (R25世代音楽ライター、日本のマンチェスターに暮らす)
・大阪
東京と大阪の関係は、ロンドンとマンチェスターの関係によく似ている。僕は大阪に住んで長いけど神戸出身。ロンドンは住んでた事があるけど、マンチェスターには行った事すらない。しかし気分はすっかり大阪人で、なぜかシンパシーフォーザマンチェスター。首都でなく第二都市ゆえの首都への憧れと対抗意識。さらにそこから生まれる独特の文化と気質はそっくりです。 (bluesdressの今日 大阪は日本のマンチェスター)
・群馬県桐生市
日本のマンチェスター 群馬県 桐生市 (榎崎の『銘都東奔西走』- 街並み写真)
*非常に重いweb pageです..
■四国のマンチェスター
・愛媛県八幡浜市
(省略)
・愛媛県今治市
時雄の講義を聞いた人たちの中から、海運業、繊維業などで今治経済を育てていく人たちが育っていったのも当然のことかもしれません。また、今治は明治末期から大正にかけて四国のマンチェスターとよばれ、四国一の商都として発展していきます。 (今治おもしろ百科 キリスト教が今治の発展を支えた)
序論では、そもそも「四国のマンチェスター」ともいうべき、代表的な地方工業都市今治を対象に、明治・大正期の綿ネル業の発展過程を検討されようとしたのが本書であり、神立氏が一昨年求められて『山陽新聞』に寄稿された一文を、まず掲げられている。 (綿工業都市の成立 今治綿工業発展の歴史地理的条件)
■関西のマンチェスター
・播磨臨海工業地帯 (姫路市や加古川市等の播磨地方)
場所はもちろん関西のマンチェスター、播磨工業地帯の中心”姫路”は大塩ビーチ。 (BASS LOVE: DJエラグルの低音メモリィ 2008.9.13.SAT SAND EDGE 2008)
■そのほか
・静岡県富士市
「静岡のマンチェスター、もしくはデトロイト」こと富士市が吐き出したテクノの暴君。 (MASTER MASTER)
・高知県宿毛市
宿毛マンチェスター計画
・福岡県北九州市
twitterの自己紹介でこんな記載をしている方がいらっしゃいました
福岡県北九州市(マンチェスター)出身、福岡県福岡市(リバプール)在住の3度のひまわりの種よりも音楽を愛するジャンガリアンハムスター。
■それらしい記載が見あたらない
九州のマンチェスター・中国のマンチェスター・関東のマンチェスター・中部のマンチェスター
近畿のマンチェスター・東北のマンチェスター・京浜のマンチェスター・中京のマンチェスター
阪神のマンチェスター・山陰のマンチェスター・山陽のマンチェスター・北陸のマンチェスター
東山のマンチェスター・東海のマンチェスター
北海道のマンチェスター・青森のマンチェスター・岩手のマンチェスター・宮城のマンチェスター
秋田のマンチェスター・山形のマンチェスター・福島のマンチェスター・茨城のマンチェスター
栃木のマンチェスター・群馬のマンチェスター・埼玉のマンチェスター・千葉のマンチェスター
東京のマンチェスター・神奈川のマンチェスター・新潟のマンチェスター・富山のマンチェスター
石川のマンチェスター・福井のマンチェスター・山梨のマンチェスター・長野のマンチェスター
岐阜のマンチェスター・愛知のマンチェスター・三重のマンチェスター・滋賀のマンチェスター
京都のマンチェスター・大阪のマンチェスター・兵庫のマンチェスター・奈良のマンチェスター
和歌山のマンチェスター・鳥取のマンチェスター・島根のマンチェスター・岡山のマンチェスター
広島のマンチェスター・山口のマンチェスター・徳島のマンチェスター・香川のマンチェスター
愛媛のマンチェスター・高知のマンチェスター・福岡のマンチェスター・佐賀のマンチェスター
長崎のマンチェスター・熊本のマンチェスター・大分のマンチェスター・宮崎のマンチェスター
鹿児島のマンチェスター・沖縄のマンチェスター
は特にそういう記載のあるページは見かけませんでした。。。
[感想]
調べ始めて、結構大変で後悔しつつも、当初予定していた以上には検索してみました。マンチェスター・ユナイテッド / マンチェスター・シティ / トイ・マンチェスター・テリア あたりが邪魔だった。。ラブホテルとか飲み屋とかパチンコ屋、風俗店でマンチェスターっていう名前のところが数店あるようです。
なお、誰か一人、または少数が言ったことがあるだけなのか、幅広く浸透して言われているのかなんてことにはあまり興味はないので、上記の内容を検証する予定は一切ありません。
まとめ
マンチェスターは世界で最初に紡績業が発達し、それに続いて大阪でも紡績業が発達し「東洋のマンチェスター」と呼ばれるようになりました。その後、日本の各地でも発達していく過程で、「○○のマンチェスター」と呼ばれるところがあったようです。「○○の小京都」という表現が今でも各地にあるように、「小大阪」という表現もあったようですが、それを考えると、有名なところの名称にあやかってPRするっていうのは自然な流れなのかもしれません。マンチェスターがそうであったように、当時栄えていた各地は、紡績業が勢いを落とすとともに衰退したところが多くあったようですが、マンチェスターや大阪は独自の発展を進めています。八幡浜市のような、勢いを落とした都市も復興できればいいのですが。。いつか、新幹線で名古屋に行きたいものです。。
経済産業省 地域経済産業グループでは「33の近代化産業遺産群タイトル」として「『東洋のマンチェスター』大阪と西日本各地における綿産業発展の歩みを物語る近代化産業遺産群」を選定しPRしています。近代化産業遺産の活用により地域活性化に取り組む地域に対する、中小企業地域資源活用促進法の枠組みを活用した支援の一環ですが、どう生かすのかは簡単ではないような気がします。ところで、これに含まれている「尼崎市・洲本市・四日市市・有田市・倉敷市・井原市・熊本市」を上記と同様にググってみましたが、「○○のマンチェスター」と記載されているページを見つけることはできませんでした。
もしこの記事について、なにか御存じ、もしくはお考えのある方はお知らせください。
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